六月初めから半ばにかけて、ミヤマキリシマが斜面を覆い、この時期は大戸越しから山頂への登山道は登りと下りの一方通行規制をするほどの大混雑となる。くじゅう登山口である長者原に、この山の名からとった平治(へいじ)という名の犬の銅像があるが、この犬はかつてこの辺りで親しまれた登山案内犬で、小説や映画にもなった。
平治岳と並び、ミヤマキリシマの大群落があることで有名。また、頂上直下にはひっそりと火口湖が静かなたたずまいを見せ、神秘的な雰囲気を醸し出している。段原付近には米窪と呼ばれる直径500mもある火口跡があり、これはくじゅうで最も新しい火口跡だといわれている。 画像提供:板井 博さん
かつて法華院の物資は、この山と白口岳にはさまれた鉾立峠を馬で行き来して運ばれていた。麓には法華院歴代の墓所があり、山名は仏教用語の塔頭からきている。くじゅうの中では低山であり、法華院からだと40分ほどで登ることができる。